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July / 2020

プリント写真のマーケットを考える#1
来月下旬にオープンする予定の写真ギャラリー”pieni onni”(ピエニオンニ)では、写真家の個展だけではなく、公募による企画展も行います。
個展でも公募展でも、出品される方はギャラリーでプリントを販売することができます。
私はこの「写真を販売すること」という日本ではあまり行われていない行為に対して、皆さんに納得してもらえるような理由づけをしなくてはならないと考えたのですが、どうもそれらしい説明がうまくできません。
だから一つの例えとして、野菜の市場を考えてみました。
私の住んでいる町には「おんさい広場」という野菜を売る店があります。JAぎふが主催しているのですが、正会員の専業農家だけではなく、色々な理由で畑を耕している準会員の人も野菜を売ることができます。
それでどんなメリットが生まれるかというと、
みごとに実った野菜や果物を自家以外の人に、買ってもらって味わってもらえるのです。
これが市場であり狭い意味でのマーケットと呼ばれる場所です。
ものが流通するためにはマーケットが必要ということになります。
もう一つのメリットは、売れるためにもっと美味しい野菜を作ろう!というインセンティブが生産者に生まれること!
写真は野菜じゃないわい。
その通りなんですが、マーケットという概念で考えると根本は同じです。
そして市場で売っている野菜と同じで、商品であるプリント写真はダウンロードするデータとはまったく別物です。
手焼きのフィルム写真でも、インクジェットプリンターで印刷した写真でも、作者が納得して刷ったプリントという点では同じく、手に触れることができる物です。
私はインスタは多くの人たちが交流し、世界中の人たちがお互いに写真を見るツールとしてとても便利なものだと考えます。
でもインスタの写真はダウンロードできませんから、どんなに気に入ってもそれを部屋に飾ってずっと眺めることはできません。
大都市で年に一度か二度開かれるクリエーターズマーケット以外に、自分の町の近くにも素敵なプリント写真が見れて買えるギャラリーがあるといいなあ・・・
私の思いはそんなところから始まりました。